黒嶋 厚至

2006年入社

特許部門 弁理士

新卒で入所し、日本企業の日本出願・外国出願許案件を担当。
2022年弁理士資格取得

入所の動機を教えてください
様々な業種の最先端の技術に携われる

昔からモノづくりに関わる仕事がしたいと思ってはいたのですが、就職活動が始まっても何を作りたいかがはっきり定まっていませんでした。その際、弁理士という資格、特許事務所という業界があることを知りました。特許事務所では、実際にモノを作ることはできないですが、様々な業種の最先端の技術、それに携わる人たちに関われるのではないかと考え、特許事務所を就職先として選択しました。

実際に入所して、事務所にどのような印象を持ちましたか
アットホームな雰囲気で相談しやすい

仕事の特性上、一人で作業を行うことが多く、技術者の席は、1名または2名ずつパーティションで仕切られていて、集中して業務を行える環境が整っています。これだけ聞くと、新人の方たちは困ったときにアドバイスを貰いにくいと思うかもしれませんが、割と話し好きで気さくな人たちが多いので、相談にいくと丁寧に教えてくれたり、世間話になったり、大きな事務所の割にアットホームな感じがしています。

入所後の教育体制はいかがでしたか。どのように業務を学びましたか。
明細書の基本的知識の習得が担保される教育体制(OJT+α)

基本的にはOJTで、自分が書いた明細書などの全ての出願書類を上司が添削し、実務を進めていくスタイルです。OJTでは、個人に合わせた密な指導を行うことができる一方で、指導方法等によって育成効果にばらつきが生じる可能性があります。特許技術者にとって一番重要な明細書の書き方についても、例外ではないと考えます。弊所では、数年前から技術分野ごとに明細書の書き方に関する書籍を定期的に刊行しています。(知財実務シリーズ)私は、『競争力を高める機械系特許明細書の書き方』の執筆に参加しました。新入所員の方は、OJTの前後に書籍を通じて明細書の基本的な知識を再確認することができます。また、定期的に所内研修を開催しているので、その時の自分のレベルや関心に応じて実務への理解を深めることもできます。このように、どの部署に所属していても、明細書の基本的な知識の習得が担保されており、OJTのデメリットが軽減されていると思います。

入所後に弁理士資格を取得されましたが、どのような勉強法をされましたか
時間を決めて隙間時間に勉強時間を確保

社会人にとって難しいのは勉強時間の確保だと思います。
私は集中力がないため、一度に長時間の勉強をすることができませんでした。そのため、平日は、出社前、通勤時間、昼休み、帰宅後等、勉強時間を小分けにして集中力を維持することに努めました。
また、強制的に勉強時間を作るため、仕事に合わせて業務を終了するのではなく、時間に合わせて業務を終了するように心がけました。ただ、与えられた仕事は期限内に終わらせなければならないので、結果として業務の効率化にも繋がったと思います。

中堅所員として気を付けていることはありますか
一貫性のある指導と後輩の考えを受け入れる柔軟性

後輩所員を指導する際には、一貫性と柔軟性を持つことを心がけています。
特許明細書に正解はなく、書き方も人によって異なります。そのため、指導する側の考えがぶれていると、指導される側も迷ってしまいます。私は、基本的な部分については一貫性を持って指導することを心がけています。
一方、後輩から相談された際には、私自身の考えを押し付けるのではなく、後輩の考えをしっかり聞いた上で判断するようにしています。後輩の考えを柔軟に受け入れることで、私自身の考えを見直す場合もあります。

現在の業務の魅力を教えてください
発明者様とのコミュニケーションを通じて発明の本質をつかみ、弁理士として発明の幅を広げる提案ができる

私は、主に国内のお客様が日本に出願する場合の特許明細書の作成を担当しています。やはり、業務としての魅力は、発明者様から最先端技術の話を伺えることだと思います。その際、単にお話を伺うだけではなく、発明者様とのコミュニケーションを通じて、発明の本質を掴んだり、発明の幅を広げられたりすることに、とても魅力を感じています。例えば以前担当させて頂いた発明Aの案件について、+αの内容を提案させて頂いたところ、後に+αの部分について模倣品が出回っているとのことで、差止を試みようとしたことがありました。このように、ご依頼頂いた案件に対して付加価値を提供できることが、特許事務所として腕の見せ所の一つかと考えています。

仕事と子育ての両立をお聞かせください
共働き家庭でもフレックスタイムやテレワークをうまく使って、家事や子どもとの時間を共有

弊所では、フレックスタイムや半休制度、テレワークが認められています。出勤してしまうと、どうしても子ども達が寝る間際の帰宅になってしまいますが、テレワークを利用することで、夕食後に子ども達と遊べたりする等、時間的な余裕ができました。また、我が家は、共働きですので、なかなか平日の習い事をさせてあげられなかったのですが、テレワークを利用して私が子どもの送り迎えを行うことで、その間に妻は夕食の準備を行う等、時間を上手く使うことができているのではないかと思っています。

今後チャレンジしたいことや目標を教えてください
英語力を伸ばして、積極的に外国案件にも取り組みたい

英語ですかね。何度となく挫折してきているので、笑。
弊所では、数年前に日本出願を担当する部門と外国出願を担当する部門が統合し、現在はその両方を担当できる能力が求められています。私の場合は、現状、日本出願案件の比重が大きいですが、お客様からは外国出願案件の問い合わせ等も多々あります。外国の法令や実務の知識を得るためには、外国案件を積極的に取り組む必要があり、そのために英語の能力を一定程度まで上げていきたいと考えています。発明の発掘にはじまり、日本出願から外国出願まで一つの案件を一貫して担当したいと思います。

求職者の方へメッセージをお願いします
知財の重要性が高まっている時代に大手事務所で思い切りチャレンジしてみよう

特許事務所の仕事は、案件ごとの作業の区切りが明確ですので、仕事の成果が反映され易く、また個人の裁量で仕事を進めることができます。更に、出願案件以外にも係争関係の業務に参加できたり、セミナー講師を担当したりする等のチャレンジできる環境も整っていることが、弊所のような大手事務所の魅力かと思います。
知的財産の重要性が高まっている時代にあって、特許事務所に求められる期待や責任は大きいです。皆さんも知的財産の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

1日の仕事の流れ

業務開始
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所内会議
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メールとToDoの確認
 ↓
取引先との打ち合わせ
 ↓
明細書等の作成
 ↓
課員の状況確認
 ↓
翌日のスケジュール確認
 ↓
終業