概要
インド特許庁より公表されている 2020 年 4 月 1 日から 2021 年 3 月 31 日までの 1 年間におけるインド特許出願統計（最新版年報）に基づき、インド特許出願の概況について紹介いたします。
目次
- 出願件数
- 上位出願国（10 ヶ国）
- 審査および登録件数
１．出願件数
2020 年度のインド特許出願総件数は 58,503 件（前年度比 4.0%増）でした。内訳は以下のとおりです。
外国人による第 1 国出願件数は 10 年連続で前年度比約 10%～30%の幅で増加しています。一方で、今年度の第 2 国出願件数は両ルートで減少し、外国人出願において第 1 国出願件数がパリルート出願件数を初めて上回りました。技術分野別では、バイオメディカルと化学が大きく伸びたのに対し、医薬品は前年度の 5,622 件から今年度は 80 件と激減しました。
２．上位出願国（10 ヶ国）
内国人出願件数は前年度に続き大きく伸びています。来年度は外国人 PCT ルート出願件数よりも多くなり、数年後には外国人出願件数の合計よりも多くなると思われるほどの勢いです。外国人からの出願件数は中国以外伸び悩んでいます。中国は上位 10 ヶ国で唯一、第 1 国出願、パリルート、および、PCT ルートのいずれにおいても前年度比で増加しています。来年度のトップ 3 は顔触れが変わっているかもしれません。
在外国出願人上位 10 社のうち、トップの韓国企業 SAMSUNG は前年度比で 3.0%減少、残りの上位 6 社も約 15～30%の幅で減少しています。第 9 位のフィンランドの通信関連企業 NOKIA TECHNOLOGIES OY は、通信分野が前年度比で減少する中、フィンランドの出願件数（456 件／第 13 位／前年度比64.0%増）の約60%となる 263 件と今年度急増しました。
３．審査および登録件数
2020 年度の審査件数（Office Action 発行件数）は 73,165 件（前年度比 8.6%減）、登録件数は 28,385 件（前年度比 13.8%増）でした。インド特許庁は、COVID-19 パンデミックのために課されたロックダウンの影響を最小限に抑えるための措置（オフィスは部分的に25%の稼働など）を講じ審査効率が著しく低下したことを認め、しかしながら、在宅勤務の整備やオンライン活動の拡張を行って作業負荷の再配分を実施し、特許出願が審査されるまでの期間が前年度の 24～32 ヶ月と比較して、今年度はほとんどの技術分野で出願日から 12 ヶ月未満に短縮されたと発表しました。