2024年度のインド特許出願統計

概要
発行月
2026年1月
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概要

インド特許庁が2024年度のインド特許出願統計を公表しましたので、これに基づきインド特許出願の概況を紹介します。

目次

  1. 出願件数
  2. 上位出願国(10ヶ国)
  3. 審査および登録件数

1.出願件数

合計がインド特許出願の統計史上では初めて10万件の大台を超えました。内訳を見ると内国人出願と外国人パリルート出願が大きく伸びました。インド国内では個人と教育機関による出願件数が内国人出願全体の8割を占めました。インド政府が継続して行っている知的財産に関する啓発活動が結果を出している形となっています。

2.上位出願国(10ヶ国)

内国人出願件数が全体の60%を超えました。日本、中国、韓国の出願件数は堅調な伸びを見せています。特筆すべきはフィンランドからの出願件数増加です。同国通信機器メーカーNOKIA社が1,582件のインド出願を行いました。これは同国出願件数の8割以上にあたります。NOKIA社は2008年にインド南部の都市Chennaiに同社最大規模の工場を建設して操業を開始し、4Gおよび5G移動通信システム関連を含めた通信機器をインド国内外向けに生産しています。2023年には同じく南部の都市Bengaluruに6Gラボを立ち上げ、更に2024年にインド国内有力通信事業会社と複数年の5G延長契約を獲得するなど提携を深め、インドでの事業展開に注力しています。インド政府が進める国内通信環境の変革や世界の通信市場における地位強化の戦略に乗じ、NOKIA社が米国QUALCOMM(2,949件)、韓国SAMSUNG(1,563件)に並びインドでの事業拡大を続けていくと、フィンランドからの出願件数は更に増加が見込まれます。

3.審査および登録件数

処理(特許/拒絶査定、出願取下)と登録の件数が激減しています。2023年に370名の審査官が審査管理官(Controller)に昇進しました。これにより、専門分野の審査を行う審査官の数が足りなくなり、審査が遅れたという情報があります。インド特許庁は、2025年1月に400名の審査官を新規採用し、2025年度下期に本格的な審査業務を開始する予定であり、処理の滞留減少を期待できるとしています。弊所管理案件において2024年に特許証を受領した案件が760件だったのに対し、2025年は90件であったことも上記の影響があり、これは解消される方向と理解しつつ、実際の動向を注視してまいります。