概要
WIPOが2025年におけるPCT出願件数の暫定統計を公表しましたので、PCT出願件数の概況について紹介します。
目次
- 総出願件数
- 上位出願国(出願人居住国)
- 上位出願人
1.総出願件数
2025年のPCT出願の総出願件数は、暫定で275,900件と発表されました。これは前年(273,913件)比で0.7%の増加となりました。
2.上位出願国(出願人居住国)
前年と比べて順位に大きな変動はありませんが、シンガポールが15位に初ランクインしました。目立つ点は、前年に続いてフィンランドが大きく増加し、これに対して、毎年増加傾向のインドが大きく減少した点です。WIPOの統計データに基づき各国における2025年の上位3技術分野の状況を併記しました。フィンランドはデジタル通信分野において400件近く増加しました。これは後述の上位出願人ランク外だったものの、前年より470件増加の同国通信機器大手Nokia Technologies OY(全体で15位)の躍進が大きく影響しています。
インドは上位3技術分野において前年より大きく伸びましたが、全体の出願件数は1,500件近く減少しました。インド政府がPCT出願啓発プログラムを全国展開し、スタートアップ、中小企業、大学などがPCT出願件数を増やしていますが、このグループが特許出願に対する研鑽を積み、費用対効果の高い選択肢としてインド国内特許のみ、外国はパリルートで欧米のみ権利化する傾向にあるという情報があります。また、受理官庁別では、インド特許庁と国際事務局とで後者が半分以上減少しました。国際事務局よりも、手数料減額措置を講じているインド特許庁を利用する出願人が増えているようです。一方、2025年のインド国内出願が大幅増加したため2026年のPCT出願件数も増加を期待でき、今回の減少は一時的だとする指摘もあります。今後の動向に注目してまいります。
3.上位出願人
デジタル通信業を中心に展開する企業が上位を占めています(上位10社ではContemporary 社以外の9社、上位20社では16社)。上位20社には、NTTドコモ(13位/459件増)、上述のNokia、インドのJio Platforms(19位/971件増)などがあります。


